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ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉
/ ワーナー・ホーム・ビデオ ISBN : B00007G0LN スコア選択: ※※※※ 1870年代、日本。 明治政府の政権も安定してきた時期ではあるが、各地で士族の反乱の火ははまだくすぶっていた。 そんな中、西洋の兵術を指導を目的に来日したオールグレン大尉(T.クルーズ)は、心の底ではアメリカで体験した南北戦争での心の傷を引きずり、酒浸りの毎日を送っていた。 しかしある日、オールグレンは時代錯誤なほど古式ゆかしい士族の反乱軍に襲撃される。 その指揮をとっている男こそ、かつて天皇に仕えていた最後のサムライ、勝元盛次(渡辺謙)であった。 オールグレンは勝元の捕虜となるが、いつしか勝元と通じ合い、心を通わせるようになる... はい、今回はトム・クルーズのチャンバラ・ドラマ、「The Last SAMURAI」といきましょう。 話題作だけあって数々のメディアに色んな批評が載ってるんだけど、ぢぇみに はちょいと言わせて頂きたい。 「"日本を描ききれてない"とか、"所詮は西洋人の見たニッポンにすぎない"」なんて日本人が批評するのはおかど違いじゃない? 確かに変なとこは確かにある...けど、日本の映画を振り返って、幕末以降の日本をココまで描けた映画がどれほどあるね? それに、「The Last SAMURAI」はハリウッド映画。西洋人から見た視点を描いてるのは当然じゃん。 大体、「西洋人から見た視点」を前提に見てみると、これは細やか過ぎるほど気を配っているのが良く解ると思うんだけどな。 まあ、日本人の批評だけじゃなくてアメリカ人の評価ってのもかなり変だけどね。 「渡辺謙は日本のユル・ブリンナー」?謙さんはいっつもボウズにしてるんじゃないっての。 で、ぢぇみにの感想。 この話の主人公である勝元(形式上の主役はオールグレンだけど、彼はむしろ物語の"導き手"に近い)はオイラとは相容れない精神の持ち主なんだと思う。 勝元はいわゆる「葉隠」の精神を地で行くような人で、武と名誉を守りながら生きていく人なんだよね。 武士の精神を守れないならば名誉ある死を選ぶ--「武士道とは死ぬ事とみつけたり」--ってタイプのヒト。 だからこそ「LAST SAMURAI」なんだろうけど、それがサムライだってんなら、ぢぇみには絶対にサムライではあり得ない。 オイラは寧ろ河内(大阪南部)の英雄、楠木正成の生き方に共感するタイプの人間だからそれは仕方ないんだろうね。 ちょっと楠木正成について講釈させてもらうと、 楠木正成は武士ではなく、「悪党」と呼ばれた人物だった。 武士では無いから、「武士の名誉」なんて屁とも思っていない。 それでいて、「LAST SAMURAI」の勝元同様、多勢に無勢の戦いを挑んだ。それが赤坂城の戦い。 城は陥落したんだけど、正成は「名誉ある死」を選ばなかった。 逃げた。 そして、時をおいてまた挑んだ。それが千早城の戦い。 楠木正成は耐えきった。 彼が幕府軍を足止めしている内にクーデターが発生し、鎌倉幕府が滅亡した。 その後、彼は湊川の合戦で足利勢と戦い戦死するんだけど、それは彼の本望ではなかった。 本当は天皇を引き連れて吉野に退避し、「最終的に勝つ」戦略を立てたのだけれど、その進言がはねのけられただけだった。 正成の前には「武士の名誉」なんて無く、ただ「戦略」があった。だからこそ数千の軍勢で数万の大群を破る事ができたんだと思う。 振り返って、「LAST SAMURAI」の勝元は「武士の名誉」を捨てる事は無かった。 繰り返すけど、オイラにゃその精神は「理解」はできても「共感」はできない。 だから、この作品はオイラにとって「感動できる悲劇」ではなく、「やるせない悲劇」でしかなかった。 多分、現実にあった士族の反乱も、精神的にこういう感じの人達が戦ってたんだろうな。 う~む、久しぶりにちょっと激してしまったかな? シメとして、100年以上の人達に語りかけるなんて変だけど、最後にひと言だけ彼らに言いたい。......あほぅ。 original text:2004/01/05
by jemini-x
| 2004-09-03 00:18
| 0031~0040
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