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映画・書籍などをもろもろと...
by jemini-x
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0054 「武」を、突き詰めよ - SPIRIT -
SPIRIT<スピリット> コレクターズ・ボックス (完全予約限定生産)
/ ワーナー・ホーム・ビデオ
ISBN : B000FVR9V2
スコア選択: ※※※※※


原題は「雀元甲」(フォ・ユァンジャ)。
清朝末期の中国に実在した人物で、精武体育会(当時は精武体育学校)の創始者。
近代中国の武侠と言えばジェット・リーの「ワンスアポンナタイム・イン・チャイナ」やジャッキーチェンの「酔拳」に出てくる黄飛鴻(ホン・フェイホン)が日本では有名だけど、中国では雀元甲も同じぐらいに有名らしい。

まず書いておかなければいけないことがあります。
これは中国では有名な話らしいのでネタバレにはあたらないと思うんだけれど、彼の開いた精武体育学校は民族意識を高めるような思想を持っていたため、列強の有力者から危険視されていたらしい。
そして、日本人柔道家との交流試合の後、まもなくして雀元甲は急死したという。
死因は気管支系の病気によるものとの記録もある一方で、日本人に毒殺されたという考えも一般的となっているとのこと。


前置きが長くなりましたが、今回は「SPIRIT」。
主演はジェット・リー。監督はロニー・ユー。
日本人では中村獅童が脇を固めています。でも、ジェット・リーに「脇固め」をかけたという意味ではありません。

天津のフォ・ユァンジャは「天津一」の武闘家を目指して決闘に明け暮れていた。
連戦連勝のフォの元には次々と弟子入り志願者が押しかけフォは侠客として名を上げてゆく。
が、一方で幼なじみの友人の心は徐々に離れつつあった。
そんな中、フォの弟子が「天津一」の覇を競うチンに重傷を負わされ運び込まれてくる。
弟子の敵を取るためチンに果たし合いを申し込むフォは、決闘の末、チンを殺してしまう。
しかし、帰宅したフォを待っていたのは、「復讐への復讐」の犠牲となった家族の姿であった...

さてさて。
以前、劇場で観た後にこれを書こうと思ってハタとキーを打つ手が止まってしまったのは、この文章の前置きに書いた事が頭でうまく整理が付かなかったからなんですよね。
上手く書かないと、ジェット・リー達の伝えようとしたことを、曲解されかねないような気がしてました。

まあ、よくよく考えてみればシンプルな事で。

この映画が伝えようとしていたのは、結局日本で言うところの、「道」なんですよね。
当然歩く道の事じゃなくて、剣道、柔道、合気道...つまり、武道。
精武体育学校での演説(?)でこんな感じの事をフォは言う。
「誇りを持ち、自分を磨け。復讐の為に武を用いてはならない。自分に打ち勝つ事が目的なのだ。」
生まれ育った地は違っても、その道の先は同じ。
だから邦題は「SPIRIT」となったんでしょう。


...やや、ここでいやらしい事を言ってしまうと、サッカー選手達を「サムライ」だ何だと言って盛り立てておきながら、勝敗に異常なぐらいにこだわっていた、何処かの国の人達にはちょっと悲しい気持ちを覚えます。
「道を行く者の精神」を求められず、ただ勝敗だけを「侍」に求めるなら、そのサムライは殺人マシーンと何が違うのだろう?


この記事では日本風に「道」と例えたけど、中国で言えばこれは「功夫」ですね。
「功夫」とは修行、鍛錬の積み重ねの意味。
つまり、「功夫映画」とは「中国武術の出るアクション映画」では無くて、「人間が苦労やかん難を超えて成長する映画」でなくてはならない。
「SPIRIT」はジェット・リーの華麗な中国武術が見られる映画ではあるけれども、そういう意味では無しに「人間成長の映画」として見ても、つまり真の意味で「功夫映画」の最高峰と言える作品に仕上がっている。

刮目して、見るべし。
# by jemini-x | 2006-06-29 01:03 | 0051~0060
0053 「2」はアラビア数字なのに「Ⅲ」はなぜローマ数字? -M:i:Ⅲ-
M:I 3 ミッション:インポッシブル3
/
ISBN : B000CSTI62
スコア選択: ※※※


お決まりの映像と共に印象的なテーマ音楽で始まるスパイ映画。
と言えば、誰もが頭に思い浮かべるのが「007」と「ミッション:インポッシブル」。
但し、このふたつの作品には決定的な違いがあります。
つまり、ジェームス・ボンドは時にライバルと手を組むことはあっても基本的に一匹狼。
一方 IMF (Impossible Mission Force) はチームを組んで組織的に敵と対峙する。
この違いが、2つの作品に全く別のアイデンティティを産んでいるワケですね。

...と言うことで、お久しぶりにUPの記事は「M:i:Ⅲ」~。
(いやホントひさしぶりです。もうさぼりまくりで申し訳ない。 m(_ _)m )

監督はJ.J.エイブラムズ。主演は当然、トム・クルーズ。

Impossible Mission Force のイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、訓練教官となり、恋人ジュリア(ミシェル・モナハン)と結婚の約束をしていた。
しかし、もはや現場に戻ることも無いはずだったイーサンに IMF からの接触がある。
イーサンの訓練生であったリンジーが敵に捕らえられ、拘束されたのだ。
そして、「一切関知しない」はずの当局が闇の武器商人デイヴィアンの動きを抑えるため、とイーサンに救出を依頼する。
恋人に嘘をついて救出に向かうイーサン。
しかし、デイヴィアンは復讐の為であれば手段を選ばない最悪の敵だった。


冒頭の文章に話を戻すんですけど、「スパイ大作戦」以来の Mission Impossible の魅力と言えば、IMFからの指令メッセージと変装マスク、そしてチーム連携による潜入活動。
この辺、イーサン編の一作目である「ミッション・インポッシブル」はちょっとチームプレイが出来きって無くて残念な雰囲気がありました。
「M:i-2」になると競馬場でのメモリーカードを盗み出すシーンがそれっぽくなったんだけど、ジョン・ウー色の強い他の場面にかき消されてしまった感じ。
しかしっ!今回はイーサンチームの活躍が本当の見せ場です。
今回の IMFメンバーはやってくれます!
デジタルな技術の中にアナログなテクニックをどんどん組み込んでくれます。
メンバー同士の白々しい会話も忘れません。
ローマの遺跡に穴を開けるなんて事も「」とも思ってません!
(↑いや、それは良いのか?褒めるところか???)

そして何より...

ゼーン役の、マギー・Q が、良い!

モデル出身なだけにスタイルは抜群、「露出度高過ぎじゃない?」って感じのパーティードレスもびしっと着こなしてる反面、ストイックに銃撃戦をこなすシーンもなかなか。
そして何と言っても、「格好いいクルマだったのに」ともったいなさそうな表情でスポーツカーを爆破するシーン。
...可愛い!
(↑アクション映画で何を観てるんだ、何を。)
いやでも本当に、イーサン・ハントのバックアップ的な目立たない役割なのに、とても印象の残る女優さんでした。


えーと、話を修正しましょう。
アクションシーンは長引きすぎる傾向のある最近の作品の中ではコンパクトにまとまっていて良。
ただし、「M:i-2」でミッション・インポッシブル シリーズを好きになった人にはちょっと不満が残るかもしれません。
そう、「M:i-2」で香港映画並みの格闘シーンをみせてくれたイーサン、今回は戦い方がかなりベタです。
まあでもこの方がハリウッドっぽくて、個人的には納得かな?
ワイヤーアクションは...
ミサイルで吹っ飛ばされるシーンは生身の人間に爆風を当てるワケにはいかないから当然の事だし、そんなに不自然ってほどでもない。
その直後のクルマのボンネットに飛び乗るシーンが少し気になるけど、トムの年齢と、場面の要求するスピード感を合わせると許せる感じ。
無理にワイヤーを使わない、ワイヤーアクション使用のお手本にしたい映画でした。



えー、では最後に。
ゼーン役の、マギー・Q が、良い!
(↑、だから何を言っている、何を。)
# by jemini-x | 2006-06-25 23:56 | 0051~0060
0052 極寒の地の皇帝は何を思う? -LA MARCHE DE L'EMPEREUR-
皇帝ペンギン
/
スコア選択: ★★★★★


一面に広がる氷の世界。
その氷の隙間から顔を覗かせる、凍てつく海水。
水しぶきが上がり、打ち上げられるように黒い塊が姿をあらわす。
コウテイペンギンである。
そしてその瞬間から、何度となく繰り返されてきた「命を継ぐ物語」はまた新たなる始まりを迎える。

と言うわけで、今回は「LA MARCHE DE L'EMPEREUR」(邦題:皇帝ペンギン)のご紹介。
監督はリュック・ジャケ。ナレーションにロマーヌ・ボラージュ、シャルル・ベルリング、ジュール・シュトリック。

原題の「LA MARCHE DE L'EMPEREUR」とは「皇帝ペンギンの行進」の意味らしいです。
その名の通り、これは皇帝ペンギン達の行進をめぐるドラマ。
なんでも彼らは海で餌を採るにも係わらず、南極大陸の内陸 100km の場所にコロニーをつくって子育てをするそうで。
そのため、交尾の為にその地へ向かい、子育ての餌を採るために母ペンギンが、そして母ペンギンの帰還と入れ替わりに父ペンギンが海へと行進する。
そして残された者は過酷な寒さと戦いながら、我が子の命を守って行くんだそうです。


氷の上で滑ってしまう滑稽な親ペンギン達の歩き方に吹き出しそうになりながらも。
愛らしい子供ペンギンの仕草を微笑ましく思いながらも。
壮絶です。
そして、美しい。

命を生み出すという事の原点。
その命を守るという事の原点。
人間が、便利すぎる世の中に生まれてしまったがために時として忘れてしまう「命」というものの原点を、この映画で思い出したような気がします。
「それはどういう事なんだ?」
と問われると言葉として答えることは出来ないんだけどね。
でも、
「相手は所詮トリだよ?そんなもんに負けちゃいられないぞ、人類。」
まあ、そんな感じ。


いやホント、観ている間 言葉を失ってしまった映画というのは本当に久しぶり。
ナレーションは夫婦ペンギンと子供ペンギンの語りを通してなんだけど、
しかも多くの詩的な表現を交えての言葉なんだけど、
過剰な思い入れ無しに彼らの生活を語るような感じで、非常に好感が持てます。
エミリー・シモンが歌う挿入歌も、このフィルムの持つ優しさ・切なさと調和して、エンドタイトルの終わりまで「席を立とうか」という気持ちにさせません。
「文部科学省 特別選定」なんてありがたいのやら余計なのやらよく解らないお題目が頭についちゃってますが、そんなの関係なしにハイティーンより上の年齢の人達には是非見てもらいたい気がします。
いや、このまま放っておくと場末の酒場で酔っぱらっているおっさん臭い事を言ってしまいそうですが、まあ、それだけ心に何かを感じさせる映画。

[参考]
『皇帝ペンギン』公式サイト:http://www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/







余談、というか明らかに蛇足ですが。
オイラがこの作品を見ているそのすぐ下の階では、「チームアメリカ★ワールドポリス」を上演していました。
なんつーかね。
ホント、人類ってわけわかんねー。

# by jemini-x | 2005-08-02 22:24 | 0051~0060
0051. ベイダー卿、スクリーンに帰還 -STAR WARS EpisodeIII REVENGE of SITH -
スター・ウォーズ エピソード 3
/ ポニーキャニオン
ISBN : B0000AIRN3
スコア選択: ※※※※※

EpisodeIIから3年後 - 共和国と分離主義者の戦争の最中、分離主義者の将軍グリーバスは共和国最高議長パルパティーンを誘拐する暴挙に出た。
しかしオビ・ワン(ユアン・マクレガー)とアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)の師弟は議長の首尾良く奪還に成功する。
共和国側に着くジェダイ評議会は泥沼の戦争を終結させるべく、逃亡したグリーバスの追撃にオビ・ワンを派遣するほか、ジェダイ達を次々と戦線に派遣する事を決定する。
一方、評議会のある惑星コンサルトに残ったアナキンに議長パルパティーンが執拗に接触を図るようになる。
非常に危険な誘惑である事を察知しながらも、恋人パドメ(ナタリー・ポートマン)の死に関する予知夢を見たアナキンは次第に議長の甘言に心を惹かれてゆく...

というわけで、STAR WARS最新作にして最終作、REVENGE of SITH の登場です。
監督は言う必要も無し、ジョージ・ルーカス。主演は前作に引き続きユアン・マクレガー&ヘイデン・クリステンセン。

さて、ちょっと酷いことを言ってしまいましょう。
正直な話、EpisodeI、IIの時は、「ああ、これは STAR WARS ファンへのサービス映画だな」って思ってたんです。
大筋のストーリーは解っているし、それにおなじみのヨーダや C3PO といったキャラクターが出てきて活躍する。
EpisodeIV ~ VIを正伝とすると外伝のような、そんな位置づけじゃあないか...って。
しかし!
しかしですよ!!
今回は正に STAR WARS です!!!

どういうことか?

EpisodeIV ~ VI で確立された STAR WARS の STAR WARS たるゆえん。
それはやっぱり、絶対的な悪=帝国に対抗する同盟軍の人々の闘いという図式でしょう。
あるいは理力(フォース)とその暗黒面(ダーク・フォース)の際にあるジェダイの葛藤がそうと言えるかもしれない。
そしてその帝国の象徴であり、暗黒面のこそがダース・ベイダー卿その人と言えます。
(実際、「ダースベーダーのテーマ」と呼ばれる音楽のタイトルは「帝国のマーチ」だしね。)
つまり。
ダース・ベイダーの出ない STAR WARS は STAR WARS ではないっ!

...ぜぇぜぇぜぇ。
ちょっとコーフンしてしまいました。
まあ、ダース・ベイダーが出りゃいいってもんでも無いんですけどね。
でもやっぱり、アナキンがベイダーへと変貌する最終局面、このシーンがこの映画を STAR WARS へと昇華させた事は間違いないですね。
もし途中で「退屈だ」なんて思うような事があっても決して席を立ってはいけません。
ラスト30分。
そのために本作品は存在しているのです。

さてさて、言いたい事は言ってしまったので(それだけだったのか?)、あとはちょっとばかしゴタクを。


まずR-2D2!
君が勇気と行動力を兼ね備えた勇者である事は知っていたよ。
けどね。
今回の君はちょっと乱暴者すぎないか?
あれじゃあ勇者というよりは近所のごんたくれじゃないか!
決定。今後君のことはジャイアンR-2と呼ぼう。

それにグリーバス将軍!
あんたとっても良いキャラしてるのに、あっけなくやられすぎ。
できれば物語終盤まで頑張って欲しかったぞ。

そしてヨーダ!
皇帝との一騎打ちというあんな状況でどうやって死なずにすんだのかと思ったら...恥も外聞も無しになかなかやるじゃないか。ますます気に入ったぞ(笑)
ヨーダだから生き延びられるというあのシーン。本当は笑うべきシーンじゃ無いんだけど、結構楽しい。


なお、今回のメカニックは EpisodeIV ~ VI 時代のメカフェチにも充分楽しめる内容となってます。
いきなり X-WING や TIE-FIGHTER 、スターデストロイヤーの原型となるメカのオンパレード!
やっぱりこの直線的で重厚なデザインが何とも言えません。
このメカメカって感じがまた STAR WARS なんですよね。


いや、何度も言いますが、今回は EpisodeIV ~ VI からのファンでも充分に楽しめる内容です。
さあ、みんなもフォースの暗黒面に身をゆだねるのだぁぁぁぁっ!
# by jemini-x | 2005-07-03 19:25 | 0051~0060
0050.古畑さん、これは密室連続ギャグ事件ですよ! -笑の大学-
笑の大学 スペシャル・エディション
/ 東宝
ISBN : B0001M3XGU
スコア選択: ※※※※※


昭和15年 秋、東京。
浅草劇場街で公演する劇団「笑いの大学」の座付脚本家 椿は、警視庁保安課の取調室に向かっていた。
取調室で待つのは検閲官 向坂(さきさか)。
戦争の時代へと向かう日本では、言論統制が行われ、舞台で演じられる劇の脚本にも全て検閲が行われていたのである。
喜劇作家、椿の書いたロミオとジュリエットのパロディも向坂の手によって問題点が多すぎる、と「上演不許可」の印を押されそうになる。
次から次へと繰り出される向坂の指摘を乗り越え、椿の脚本は上演許可を得られるのだろうか?
今、史上もっともヘナヘナな戦いが密室の中で始まる。

惜しくも劇場で見られなかったのでDVD化されてからの鑑賞となりましたが、今回は「笑いの大学」~。
主演は役所広司・稲垣吾郎。監督は星護。
三谷幸喜原作の舞台劇「笑いの大学」を「古畑任三郎」の監督星護が完全映画化した作品。
まあ、基本的には主演の2人による密室劇で話が進んでしまうので"舞台"色を毛嫌いする人には受け入れられないかもしれませんけど、実際には「気になる~」って感じではありません。

ジャンル分けでいえばこの作品はコメディになるんだろうけど、この作品はぢぇみに的には「交渉(ネゴシエーション)モノ」ですね。
対立する両者が武器を持たずに闘い、共通のゴールへと向かっていく。
また、椿(稲垣吾郎)の何というか、どうしようも無いようなヘナヘナ感がとっても良いんですよね。これは木村拓哉や香取慎吾では絶対に出せません!
ヘナヘナなんだけども、ソコにはやっぱり脚本家、椿としての「闘い」がそこにはあるんですよね。
物語の終盤近くになってそれが明かされるんでど、「交渉モノ」好きのぢぇみに は思わず「ポン!」と手を打ちたくなるんですよね。
ヘナヘナで、ヘナヘナで、でも熱い・熱い男達の戦い。これはもう「脚本」・「ギャグ」という武器を用いたアクション映画と言っても良いでしょう。
好きだな~こーゆーの。

そうそう、最後の展開のために、ハンカチもご用意を。

この映画、脚本家の三谷幸喜さんや主演の役所広司・稲垣吾郎両人も素晴らしいんだけど、その他のスタッフも相当に凝りに凝ってて良いですね。
銀座劇場街前のシーンでレトロタッチの貼り紙、看板が出てくるんですけど、どれを取っても何とも良い味です。思わず観察したくなる。
さらに、検閲課のシーンで脚本の表紙も出てくるんですが、「劇団ボルシチ 土」「喜劇 にんにく先生」何だソレは!見てみたくなるタイトルじゃないか!
「摩天楼劇団 キングとコング」!!!時代的にやっちゃって良いのか、それ?

さて、DVDになってからの紹介なので、DVDならではの評価をば。
この映画、エンドロールまで雰囲気を壊さない徹底ぶりが素晴らしいんですけど、更に素晴らしい事に、最後の最後に出てくるDVDオリジナルの「複製、無許可上映禁止」のメッセージまでがそのイメージを継承して居るんです。
「音声・字幕」メニューの選択方法もいいなぁ。「いや、それは選択してるんじゃなくて一部削除!」ってツッコミ入れたくなって来ます。
なんかもうね、コレ、「許可」「不許可」ハンコが欲しくなってきますよ。「一部削除」付箋も。売ってないかなぁ?

実は、ウダウダと主人公の心理表現に凝ってしまったり、見飽きたような青春グラフティだったり、芯の感じられない任侠映画だったりが多いので、ぢぇみに は黒澤明と宮崎駿作品、そして「TRICK」を別にすれば、全体的に邦画の評価が高くないんですね。
(ぱっと面白かった邦画で出てくるのが「ゴジラ(昭和29年版)」・「大誘拐」・「お墓がない!」ぐらいしか思い浮かばないもんなぁ)
そんな中でこの映画の評価は...「許可」!

久しぶりに「お薦めの邦画」の登場です。
# by jemini-x | 2005-05-28 23:19 | 0041~0050